
いつまでもここに居て
第8章 ※Love Eye Toward only me[52]
□櫻井part□
収録場所を後に、俺達は駐車場に向かった。
今日はマネージャーに送ってもらわない。
潤君が今日は車を出しているらしいから。
「…どこで食べようか?俺今日は何も決めてないよ、」
「今日は…俺が好きな和食テイストのお店に行こうか。煮付けとか美味しいし。」
「…わかった。」
車の中の会話はたどたどしくて、弾まない。
あの事が頭を過ぎる度に、潤君を真っ直ぐ見れないから。
俺に何を言ってくるのか、もしかしたら言及かもしれない。
震えそうな身体をこわばらせて耐える。
車から出るラジオがただ車内の静けさを紛らわしてくれた。
「ねえ。」
「…な、なに?」
突然声をかけられてびっくりする。
「あのさ、そんなにいやだった?」
「え…」
「何か勘違いしてるかわからないけどさ、俺が先に手を出したんだ。」
「…」
「翔くんが何か言ったとか…そんな事じゃなくて、泥酔してる翔くんを襲った。あの事は…俺がわざと用意した計画だ。」
「な…なんで…」
「ここまで言ったのに…まだ言わなきゃダメなの、」
