いつまでもここに居て
第15章 Overprotective boyfriend[54]
傘を持っているのにずぶ濡れになっていた俺を心配したのを逆手に【お前のせいでこんな事になった】と言わんばかりに風邪の振りをして、ホテルに連れ込むにも成功した。
正直、本当はニノが濡れないように必死だったし、どうやってホテルに連れていこうかも考えていなかった。
だからこうやってさりげなく出来たのも良かったし、緊張したニノを落ち着かせるにも最適だった。
俺が濡れていることを心配するニノに思わず深いキスをした。
「ニノ、今日のデート楽しかったよ」
「は…うん、」
息を切らすニノに溢れる感謝の気持ちを伝えていく。
「俺が最初言ってた事…覚えててくれたんだね、もうニノは忘れていると思ってた。」
「…どういうこと?」
「試してたんだ。…ニノがこの場所を選ぶか。こんなホテル予約したのも賭けだったんだよ。…けど、選んでくれたね。嬉しい」
そうだ。本当にこの場所を選ぶかなんて本当はわからなかった。高速道路って言ってももしかしたら横浜の先の所かもしれないし、横浜へ行く前に路線を変えるかもしれない。
けど、俺はニノが横浜を選ぶと信じていた。
疑う事すら考えていなかった。
こんなにもニノを信頼して、心から好きで、すべて愛しく感じてるんだ。