いつまでもここに居て
第5章 ひまわりの約束[21]
「…そっか、俺がこれからは出来る限り相手してあげるよ」
「本当、!?あのね、電車って何?お金って何?」
こいつ、お金も知らないのか。
確かにここにはお金を出さなくても食事が出る。
が。そんなにもここにいるのか。
「電車ってのは…僕がいつも乗ってる大きな車で、知らない人もたくさん乗れるんだ。」
「そっか、そっか、すごいね。電車って…あとね、聞きたいことたくさんあるんだ。また明日纏めておくよ。」
「わかった。おやすみ。智くん。」
「はい。先生…おやすみ。」
パチリと電気を消す。
布団の上にあるひまわりのスケッチと鉛筆を机に乗せて、僕は去った。
暗い廊下を明日を望むように歩いて行った。