いつまでもここに居て
第6章 ※上限の月[34]
□二宮part□
2日間突然雅紀は来なくなった。
この前ちょっと我侭言いすぎたからかな。
「ばっちゃ。」
「なあに?和也、」
「雅紀は。」
三日目の朝。つい我慢出来なくてばっちゃに聞いた。
「さてねえ…和也が我侭だから、出て行っちゃったんじゃないかしら?」
「もう3日来てないよ。いつも来てたじゃないか。」
「まだ3日じゃない。もう少しいい子にしてたらちゃんと帰ってくるわよ。」
「わかった…イイコにするから。とりあえず雅紀に電話して」
「なんで?」
「だって…」
なんか分かんないけど凄い寂しい。
けど、ばっちゃに言えなかった。
ばっちゃは多分俺がシュンとしているのを分かってる。
「と、とりあえずばっちゃ!雅紀に俺いい子にするから戻ってこい!って言ってきて!」
「…にーのー?イイコにするって言ったな?」
そういった時突然雅紀の声が聞こえた。
「えっ!?雅紀!?聞いてたの!?なんで?!」
「むふふ…2日間でニノの隣の部屋に荷物持ってきてたんだ。もう会社とか無いし、ニノがさみしそーだから来てやったの。引越しってやつ。」
「わかんなかった…って、てか、さみしくないし!」
「だってサプライズにしたくてニノがご飯食べてる時とか寝てる時に全部片付けてたんだ〜。いやいや。俺がいなくてばあやに聞いてたじゃんか。3日いないくらいでさみしがるなよ」
「う、うるさい。とりあえず雅紀、一緒に朝ごはん食べよ。俺やっぱり一人で食べれない」
「はあ!?ちょ、お前さっき言った事はどうしたんだ!」
「前言撤回だよ!!ここは俺の家だぞ!イイコにするのはお前だろ!な、?ばっちゃ?」
「この家は私の権限で建てましたよ?和也。」
「ほらー!お前の家じゃないってことは俺の言うこと聞かなきゃいけないんだからな!」
「うるせえ!ばーか!バカまさき!」
こんな事言い合ったけどすごい嬉しかった。雅紀とこれからずっと一緒だ。
雅紀は俺のわがままちゃんと聞いてくれるんだ。
だから、仕方なくだけどちょっとはいい子にしてやる。
雅紀はわかってくれただろうか、喧嘩の中でも俺が心の底から笑っていた事を。