いつまでもここに居て
第6章 ※上限の月[34]
□相葉part□
俺が引っ越してきてしばらくたったある日、勉強の休憩中にニノと話していると、
「ねえ」
と真剣な表情で話を切り出してきた。
「どうした?」
「俺さ、目が見える時があるんだよね。」
「え!?凄いじゃん!えっ、いつ?」
「夜の月が綺麗な日。白い光に照らされたものなら物が見えるの。…雅紀だって夜更かしぐらいならするよね?一日だけでいいから一緒に…」
「駄目だよ、出来ない」
知らなかった。多分ニノも最近わかったんだろう。
「な、なんで…あ!あれか!夜が怖いからか!?」
「違うよ。」
「じゃ…何…?」
「ごめんまだ言えない。」
哀しそうにするニノの頭を撫でると少し微笑んだから、しばらく頭を撫でていた。
「…じゃ、言ってくれるまで待つから一緒に絶対行こうね…」
「うん…」
ニノは見えていないが、俺の顔は多分ニノよりも哀しそうにしていた。