俺氏、捨て子を拾いました
第2章 もはや非日常
「ではではいただきますです!」
しばらく使っていなかったちゃぶ台のようなものを立てて、その上に作ってくれた卵焼きを置く。ふたばちゃんは手を合わせてにこやかに笑っていて。とても微笑ましい光景だ。
「いただきます」
俺も手を合わせて、俺がぎこちなく包丁で切り分けた卵焼きを直ぐにひときれお箸でとる。
口に運ぶと広がるのは、だしの効いた何とも家庭的な味の卵焼き。
少しだけ濃い目の味付けはまさに俺好み。
「どうですかね?」
「めちゃんこ美味しいれす」
ふたばちゃんはその言葉を聞くと満足そうに笑顔を見せて、そうでしょうと自慢気だった。
ふたばちゃんもお腹が空いていたのか、卵焼きをお箸でとり口に運ぶと、再び満足そうな表情を見せる。
「ふたばちゃん、料理の経験あるんだよね? まだ小学生なのに……」
「施設にいるときにちょこっとだけ手伝わせてもらったんです。その時に卵焼きだけ……だから料理ができるって言うわけではないんです」
ほへーと感心する俺。
ここで勘違いしてほしくないので言っておくと、俺は20代で、彼女はまだ10代ぐらいだと言うこと。
精神面もスキルも何から何まで逆やないかい。
あれ、この卵焼き……さっきこんなにしょっぱかったっけ?