俺氏、捨て子を拾いました
第4章 夜は長いもの
「布団は?」
「……」
「おい、居留守野郎」
あ、俺のことでしたか。まさか喋りかけられると思わなくてキョドっちゃったよ。ニート特有の挙動不審でございますことよ。いや、寝てる子に向かって布団は? って聞いてるのかと思って霙ちゃんってちょっと頭おかしいのかなって考えちゃったよ。うっかりうっかり。
「タンスの中にあるよ」
「……」
霙ちゃんは、怪訝そうな顔をして俺をずっと見つめる。
は? なに? なに見てんのよ。俺のこと好きなの? やめろって養える実力を伴ってから出直して? どうぞ?
「いや、なに平然と私にとらせようとしてんだよ」
「えっ? お、俺がやるの?」
「当たり前だろ、なんできょどりながら、あぐらかいて腕組んで亭主関白みたいなオーラだしてんの? 殴るよあんた」