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俺氏、捨て子を拾いました

第5章 今日は何する? 息をする




 小さな公園についた俺達。とても小さな公園だが、ブランコに滑り台、砂場なんかは揃っている。今時には少し珍しい気がする。今日はどうやら人がいないらしい。
 ふたばちゃんは目を輝かせて、ブランコに駆け寄ると、颯爽と乗り、楽しそうに漕ぎ出した。



 俺は、その光景を見て少し安堵して、近くの青色のベンチに腰掛けて、ふたばちゃんを眺める。



 すると、隣に霙ちゃんが座ってきた。



 え、何この子? 急に隣座ってきたんだけど。惚れてる? もしかして俺に惚れてる?



「あんたさ」



 霙ちゃんはこちらを見ずにふたばちゃんを見ながら口を開く。付き合ってる人はいるの? って? お前のために空けといたんだよ、言わせんな。



「バイトは見つけた?」



 ……



「言葉の暴力はやめようよ」



「いや、暴力じゃないから……」



 正論のように言ってくるこの女に俺は必死に抗う。仕方ないじゃない……働くのが面倒くさいのだもの。



「あんたさ、仮にもふたばちゃんを預かってるんだから……納得は今もしてないけど、少しでも頑張らなきゃとか思わない訳?」



「……」



 昨日よりは落ち着いている声ではあるが、言葉がキツイ。



「働く気はあるの?」



「そりゃ……まあ……」



「ふーん……」



 働くのは面倒くさいとは思う……だからと言って働く気が全くないと言えば嘘になる。
 それはふたばちゃんが来る以前からも思っていたことだった。



 しかし、どう考えても俺が真面目に働けるとは、他ならぬ俺自身が思えず、いつの間にかずるずると理想とする夢だけを思い浮かべて俺はこのまま死んでいくのだろうと思っているのだ。



 そう、俺は頭で考えてるだけで、どうしても行動に移せない人間なんだ。
 行動に起こさず、頭の中で自己完結して……そして、終わる。それが今の俺。



 情けないことなのは分かるが、自分ではどうすることもできない。




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