俺氏、捨て子を拾いました
第5章 今日は何する? 息をする
「辰海さん!! 東大さん!! 私を置いていちゃいちゃしないでください!!」
ブランコから降りて、目の前に来ていたふたばちゃん。怒っている口調ではあるがニコニコしている。
「こいつといちゃいちゃとかあり得ないから……ほら、何がしたいの?」
俺といちゃいちゃしてることを否定して、やりたいことを聞き出して。ふたばちゃんと遊具に向かう霙ちゃん。
いちゃいちゃ否定しなくていいじゃん。おませさんめ。
「辰海さんも来てください!! 砂のお城作りたいです!!」
それって海とかで作るやつじゃないの? 一気に難易度高くなったね。いいけどさ……
「辰海さんが全部砂のお城作った後に、私が全部壊します!! ごじらごっこです!!」
鬼 畜 す ぎ
どういう育て方したらこういう発想を思い付くの? そんな生々しい遊び俺でもしたことないよ?
「それお城じゃなくてもいいんじゃ……」
「苦労して作った物の方が悦を感じるというのを聞いたことがあります!!」
おませさんどころじゃないよこのガキンチョ。悪役の発想だよ。将来日曜モーニングの朝の戦隊物の悪役幹部やってるんじゃないの? この子。
「せめて家で許してあげなよ、ふたば」
ちゃっかり呼び捨てにする霙ちゃん……いや、家もそこそこ……まあでもまだまっしか……
「原寸大のやつで」
「お前ら頭おかしいんじゃないの!?」
女。それは、悪魔の生まれ変わり。
俺はそう思った。切実に思った。