腹黒ドS王子の愛する人
第8章 好きです
「悪りいな、遅くなって。ってもう出来てんのかよ。」
テーブルに並べられた西条のハンバーグ。
結局作り上がるまで西条は帰ってこなかった。
何だよ一緒に作ろうと思ってたのに、という西条の言葉がさっきまでは嬉しかったかもしれない、でも今は素直に喜べなかった。
「目、赤いぞ。」
真っ直ぐに西条の手が俺の顔に伸びる。
俺はそれを咄嗟に払った。
パンッ......
乾いた音が響く。
「何でもねぇよ、玉ねぎのせいだ。」
「あ?」
手を払われたのが気に食わないのか西条の声のトーンが下がる。
何だよ、どうしようもねーのは俺の方なんだよ。