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腹黒ドS王子の愛する人

第13章 平穏

「お前、今日なんか変だよ。」



「そうか?お前の誕生日だからだろう。」


「そうじゃなくてっ!」




俺は西条の目をまっすぐに見つめて少しずつ言葉を紡いで行く。




「俺に言いたいことあるんじゃねーの?」





こんな言葉、ただの勘だ。



確証はない。でも西条が消えてしまいそうだったから。
無性に儚くて。




西条は少し黙ると、またすぐに話し始めた。




「......お前、SCSグループって知ってるか?」



唐突に告げられたとある企業の名前。


「知ってるも何も、めちゃくちゃでけえ企業じゃん。」




そう、西条が言うSCSグループは国内だけにとどまらず各国に支店と巨大なネットワークを持つ超大手の大企業だ。





「そこの社長が俺の親父なんだ。」




「はっ.....?」




突然のことに頭が着いていかない。
西条の父親があのグループの社長?





「俺が金持ちなのは気づいてんだろ?それは全部、俺の父親が社長だからなんだ。」




え、ちょっと、急になにいってんだ。



じゃあ、あの高級マンションとか高そうなお店とか全部、そういうことかよ。





「まじかよ,.....」




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