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☆幻想窓☆

第3章 某国の姫さん

ホルは立ちあがり
「痛いですね…テル様は力が強い」
苦笑いして言っている。

「……。」
そっぽを向いたまま。
気まずくて向けない…

「ふふ。テル様、こんな遅い時間にどこに行く予定があったのですか?」

そっぽを向いたわたしの顔をのぞきこむ
ようにしながら聞く。

ほほえむ顔は悪魔のよう───

「どこに行ったって関係ないだろっ!」
ホルをにらみつける。

ホルは下を向き、ほほえんだ。

「関係ない…ですか。もし今、私がいなければ貴女は獣に食べられるところでしたよ」

ホルはテルを見つめ

「感謝すべきではありませんか?」

「…っ」
な、なによ…

貴女という言い方に一瞬ドギマギした。

いやだ…
ホルが違う人に見える─
怖さが引き立つ…

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