☆幻想窓☆
第6章 某国の姫さん②
わたしは酒場にいくことにした。
『某国酒場~イリアン~』
と書かれている。
ドアを開け、入店。
「いらっしゃい!あらっテル様!」
「え…なんで名前を知って…」
なぜ名前を知っているのだろう
わたしは、某国の影の姫なのに──
光の姫はユリンシ様───
「んっ?王女だからですよ?」
「わたし…影の姫なのに…」
普通の国民として扱ってくれてもおかしくは
ない。
「影でも光でも、姫であることは
変わらないでしょう?」
「そうですね」
知名度が低いからなぁ…わたし。
まぁ知名度が低いほうが
ありがたいこともある。
「あっ!いけません、つい立ち話を」
「いえいえ、いいのですよ」
「ではカウンターで!」
「はい。」