☆幻想窓☆
第9章 夕闇の踊り子
ボクは、怖さを持ちつつも
寝ることにした。
なんだか…怖く感じる
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すーすー。
寝息をたてて眠るサトシ。
──金城サトシ君…サトシ君…
夢のさなか、誰かに呼ばれたような気が。
目をあけると
目の前には
夕闇の踊り子、月詠長霊歩がいた。
ここは運動場で夕闇の空。
「月詠長さん…」
「……」
呼んでも、反応はせずに
踊り続ける彼女。
狂うように、花が咲くように踊る彼女
もう…この人がどこの人か分からない
謎を深めさせる踊り子だ……
「ねぇ…金城サトシ君っ」
踊りながら話しかける彼女
「なに…?」
「夢で会えるの、うれしいな…」
「そ…そうだね」
ボクは適当に返事をかえす
「ねぇ、私の踊り見てから何かおかしかったでしょ?」
「……うん、おかしかった」
夕闇の空は冥府の空へと変わる……
「アレはね……」
同時に彼女も妖しくほほえんだ
妖しい笑みを浮かべ
サトシのほうに寄ってくる
「…ひ…ひいぃぃぃ!たすけてくれ!」
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ボクは、おどろいて目を覚ました
「……はぁ…っはぁっ」
月詠長さん…
きっと君は……
ボクの夢に入り込んだのだろうな。
会えたんじゃなくて。
でも…
「アレはね…」の意味は?
ボクにはそれが分からない。