☆幻想窓☆
第9章 夕闇の踊り子
ボクは、4組の中にちょっとだけ入り
「失礼しまーす、ちょっといい?」
と言ったら
女子生徒がボクのほうに寄ってきた
「はい、何か?」
「月詠長さんって、いる?」
「……」
その女子生徒は下を向いた。
「うん…?どうしたの?」
「月詠長さんね…ケガして家で眠ってるって」
……うそ!
あの…夕闇の中で踊る月詠長さんは……
まぼろし!?
ってことは、幽霊なのか……!?
「そ…そうか、ありがとう」
悲しみよりおどろきが先にくる。
ボクは、自分の教室に戻った。
***************
1時間目から6時間目まで
ずっと、月詠長さんのことを考えていた
心の中で謎をめぐらせていた。
……月詠長霊歩さん
君は…一体?
********
夕闇の放課後の教室でいたボク
窓から君が踊っているのが見えた…
やっぱり…幽霊なんだ。
見ていた君はもう…眠ってるんじゃなくて
…すでにこの世からいなくなっていたんだね
そう思うと、涙が出て仕方がない……