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☆幻想窓☆

第9章 夕闇の踊り子


「すぐ近くだから…サトシ君、いこ?」
「うん…行こっか」

ボクは、彼女についていった。

*************

徒歩15分くらいでついた

月詠長霊歩の洋館──

ここで…キミが眠っているんだね。

しかし…とても綺麗な洋館

周りの住民がおどろくだろうな……
うらやましがってたりとか?
なんて…思って

「じゃ、入るよ」

ピンポーン!

ガチャリ…と開いた豪華なトビラ。
「…おや、どちらさまかな?」

出てきたのは、月詠長さんの父親。

「月詠長霊歩さんの友人です!」

「…おぉそうかそうか、入りたまえ」

家に招き入れてくれた。
月詠長さんはボクの後ろでいる。

「…私の肉体が…目覚めるのかな」

ボソッとひとり言を言ったが
今、返せる状態じゃない……

父親は2階に登った
「レイホの部屋はこちら。」

部屋を指差した。

「……はい」

ガチャとドアをあけ
霊歩の部屋に入った。

霊歩はすーすー。と寝ている。
目覚めるのかな……

「霊歩は…3週間ほど眠っていてねぇ…」

「そうなんですか…」

「目覚めるのに半年かかるかも…と医師は
言っておりました」

「…え、半年!」
ヒトはそんなに長く眠ることがあるのか…

幽霊の月詠長さんは
肉体の前でいる…

「ねぇ…サトシ君…私…生きてたんだね
すっかり死んだのかと…」

涙をこぼしている幽霊の彼女……

身体がとけていって、今にも消えそうな彼女

「サトシ君…私…そろそろ目覚める頃かも」


ボクは泣きながら
コクンとうなずく…


「…バイバイ…幽霊の私!」

幽霊の彼女は姿を消した……

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