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第18章  反撃


「情状酌量の余地なし」

ユウト先輩が冷たい眼差しのままそう告げた

すると扉が開いて大人の人が何人か入ってきた

「話は署で聞くから」

警察手帳を開いて身分をあかす
手帳ってコンパクトみたいにパカッて開くんだ!?
テレビで見たのと違う!
なんて変な感想かな
取り巻き達は連行されて行った

残された私達5人

トウコ先輩は呆然としていた

「なにこれ…?」
小さい声

「ごめん…」
ユウト先輩の声も小さい

「謝らないで
余計惨めだわ」
きれいな横顔はそのままポスターとかになりそうだ

「もしもカナエちゃんに危害が及ぶような事になったらご両親に申し訳ないから
ずっと待機してもらってたんだ」

そうだったんだ…

「トウコはあの4人になんて言われて一緒にいたの…?」

タケル先輩は悲しい表情のままだ

「なにも…
ただ、小学校の時は守れなかったから後悔してた
だから、中学からは側にいて守るって…

いつも1人で不安だった私は…
一緒にいてくれて嬉しかったの
純粋に…」

大きな瞳にみるみる涙が貯まっていく

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