
光
第18章 反撃
「本当はアツシとタケルがそう言ってくれるんじゃないかって…甘い夢を見てたの…
実際はユウトがその場所にいたけど…
でも…頑張ってタケルを説得したら戻れると思ってた…」
涙はポロポロと後から後から落ちる
「いくら説得してもタケルは聞き入れてくれなくて…
逆に一生懸命にユウトの話を話するけど…
私はタケルの言葉を信じることができなかった」
ふっとトウコ先輩は笑った
「昔の3人の関係を望むことが間違いだって…
やっと分かった時には…
遅かったのね」
トウコ先輩は私を見つめた
「時間はどんどん流れて
人間関係はどんどん変わっていくのに
私の心の時計はずっと止まったまま
だから…
取り残されちゃったのね」
目を伏せる
肩は震えたままだ
「彼女のように素直に気持ちを表せたら…
心のまま…自由にいられたのかしら?
…違うわね…
タケルの言葉を信じる勇気がなかったんだもの」
ユウト先輩を見る…トウコ先輩はやっぱり怖いのかな?
