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DAYS

第7章 crazy for you M×N




M side


ひょいっと和の体を持ち上げて、
浴室へと向かう。
和の体はすっかり冷えきってて。


そりゃそうだよな。あんな寒い部屋で
いたんだし。
玄関でも俺のこと待ってて…。


冷やしちゃ腰に悪いって分かってる上で
俺のことを待っててくれた。


「はい。とにかくゆっくり温まって
おいで。」

浴室に着くと、和を下ろして
バスタオルと着替えを用意する。


「じゃあ、ちゃんと温まるんだよ?」


そう念を押して、脱衣場を出ようとしたら
後ろに引っ張られてる感覚。

ぱっと後ろを振り返ると、
和が俺の服の袖をちょんと摘んでた。


「和?」
「動けないから、一緒に入って。」



真っ赤な顔をして言う和を見てるうちに
服をどんどん脱がされて、
早く入れや、って急かされて、
二人で湯船に浸かってる。←今ここ。


「腰、ちょっとはましになった?」
「うん。」

体を洗い終わって、ゆっくりとお湯に浸かる。

「和、ごめん。」
「俺こそごめんね。」


ちょこんと後ろから俺に
抱きしめられてる和が、後ろを振り返って
俺の瞳を覗き込んでる。


「俺、我儘ばっかり言って…。」

今にも泣きそうな声。

「我儘なんかじゃないから。」
「素直じゃないくせに、我儘ばっかりだし…。」

それだけ言うと、
とうとう泣き出しちゃった和。

嗚咽が聞こえてきて、


「和。大丈夫だから。」
「…っ、ぅぅ、っ。」


しばらく背中を摩ってたら、
落ち着いてきたのか力が抜けてるー


って、え!?


和を見ると、逆上せて気を失ってる。

慌てて浴槽を出て、和の体を
拭きあげるとパジャマを着せて
寝室のベッドに寝かす。


俺も急いで服を着て、
水を取りにキッチンへと向かう。

ペットボトルの水を持っていこうと
冷蔵庫を開けると、
朝はなかった、お皿にのってる料理たち。


「へ…?和?」


料理、苦手なのに。
作ってくれたの?
俺のために?


よく見ると、キッチンには
調理道具や、フライパンが散乱してて
和の格闘の跡が残ってた。


俺のこと、待っててくれたんだな。
なのに俺。
どれだけの間、寂しい思いをさせた?

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