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DAYS

第7章 crazy for you M×N



N side


目を覚ますと、ベッドの上。
頭にはまだ冷たいタオルが置かれてる。

あ、あのまま逆上せちゃった?

ゆっくりと体を起こすと、


「ぅわっ!」

ベッドサイドに潤くんが、
上半身だけをベッドに預けて
床に座り込んで寝てる。


時計を見れば、6時前。
おでこに置かれてるタオルが冷たい。
…ついさっき替えてくれたってこと。

多分ずっと、付きっきりで俺のことを
看てくれてたんだと思う。

俺、昨日あんなだったのに。
どこまでも潤くんは優しい。


「ごめんね…。ありがと。」

スヤスヤと眠る潤くんの額に
そっとキスを落とした。


「今日、何時からだっけ…?」
「今日から三日間の休みでしょ?」
「あ、じゃあゆっくり出来るね。
じゃあもうちょっと寝てよっかな。


…え?」

ばっと潤くんのほうを見ると、

「潤くん!?」
「おはよう。」

眠たそうに目を擦ってる。
寝癖がぴゅんって跳ねてて、可愛い。

「体調、どう?」
「もう大丈夫だけど…。」
「そっか。よかった。」


心配かけてごめんね。

こんな時でさえ、その言葉を素直に
言えない自分が嫌いだ。


「潤くんは?」
「俺はね。」


潤くんがベッドサイドに座ると
俺の腕を引っ張って、ぎゅーーっと
抱きしめると、


「俺も三日間、休みもらったの。」
「え?」
「どうしても和と一緒に休みが欲しかった
から、マネージャーに頼み込んで休みを
まとめて取ってもらったの。」


体を離して潤くんの顔を見ると、
最大級のきらっきらな笑顔をしてる。

「旅行、行こっか。」
「え、今から?」
「うん。荷物は用意しておいたから。」

驚きで状況が呑み込めない俺を
潤くんは、

「はいはい。早く準備して。」

って急かされて、
気が付けば車の中。

「はい。出発するよー。」
「え、うん。どこ行くの?」
「ゆっくり出来るところ、かな。」

声だけで、わくわくしてるのが
分かる。

「着くまでしばらくあるから、
寝ててもいいよ?」

潤くんのほうが疲れてるでしょ?
全然寝てないんでしょ?

でもそんなこと言えなくて、

「じゃあ寝てる。」

可愛くないな、俺。

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