DAYS
第40章 ホント ノ ホント M×N
隣では、相葉くんまで涙を流してる。
「ごめんねぇっ。」
「何で相葉さんが、謝ってんのよっ。」
ボロボロと和よりも泣く姿を見て、
和もほんの少し笑みを浮かべる。
その場の空気が少し和んだのが分かった。
「だって、だってぇー…。」
「もー…鼻水汚いっ。ティッシュあるから。」
「ゔん。」
「…相葉さんのせいじゃないからね。
助けてくれてありがとう。」
ティッシュの箱を渡しながら
和が感謝してる。
リーダーに話を聞けば、
何だか危ない雰囲気を出してゲストが
和を引っ張っていくのを見ていた相葉くんが、
助けてくれたらしい。
相葉くんは色んな所を見てるから、
何か直感的に感じたのかな。
俺は、…全然気が付けなかった。
収録中のゲストの危ない視線に気を配るより、
自分の欲望を抑えることに必死だった。
最低だ、俺。
「とにかく。今日は帰りな。」
リーダーが俺と和の荷物を渡してくれて、
楽屋のドアへと優しく背中を押してくれた。
「こっちの事は任せとけ。
ニノ。今日と明日はゆっくりしろよ。」
「明日って…」
「俺が変われる仕事だったから変わった。」
「変わったって、相葉さん!
アンタ忙しいのに…。」
「大丈夫だよ。ね?
ほら、帰った帰った。」
半ば強引に外へと放り出されてた。
その状況に驚きつつも、地下の駐車場を
足早に目指す。
自己嫌悪だけが俺を支配していた。
だから気が付かなかった。
和がそんな俺を見て、また傷ついてたことを。