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DAYS

第40章 ホント ノ ホント M×N





背中を摩っても、優しく声を掛けてみても

「ごめ、なさいっ。」

そう言って泣くことしかしない。


よっぽどの事があったんだと、
みんな何も言わないけど分かってる。

翔くんが目で合図をしてくる。

…ん?
荷物を持つような仕草をしている。

帰れってことか?


首を少し傾けると、

「ちょっと来い。」

翔くんに腕を引かれて楽屋を出た。


楽屋から少し移動すれば、
ちょっとしたスペースみたいなのがある。

そこのイスに腰掛けると、
俺にも座るようにと目で促す。


「今日のゲスト、気をつけてたつもり
だったんだけど…。

相当なトラウマになるかもな…。」
「…。」
「もっと目を配っとけばよかった。」


ごめんな、と謝ってる翔くん。


胸がズキンと痛んだ。

…だけど、本当の事を言う勇気もない。


「とりあえず、今日はすぐにニノを
連れて帰ってやってくれ。」
「分かった。」
「上とは他のメンバーで話をつけるから。」


隣に居てやってくれ。

その言葉と温かいジュース1本を
残して、翔くんはマネージャーの元へと
向かっていった。


楽屋へ戻っても、和はずっと泣いてた。

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