DAYS
第40章 ホント ノ ホント M×N
「和…?」
俺の声も震えていたのかもしれない。
その震えが、拒絶された
悲しみから来るのか、
怒りから来るのか、
恐怖から来るのかはまだ分からない。
俺の声の震えをすぐに気が付いた和は
慌てて俺の顔を覗き込んだ。
よっぽど俺がひどい顔をしてたのか。
すると益々慌てだして、
「ごめん、潤くん!」
俺を抱きしめた。
…まだ震えてる体で精一杯。
その姿にまた震えが来る。
こんなに健気で、こんなに愛おしい和に
怖い思いをさせた原因俺だ。
「…ごめん。
今日はもう寝ようか。」
それ以上の事は言えなかった。
もしかしたら、寝て起きてみれば
また平穏な日に戻ってるかもしれない。
そう思いたいだけなのかもしれないけど、
とにかく寝てしまいたかった。
「じゃあ、お風呂入ってくるね。」
和がスタスタと脱衣場の方へ姿を消す。
手持ち無沙汰になった俺は、何か
軽く食べられる物でも作ろうかと思ったけど
どうしても体が動かない。
そうしてボーッとしている内に、和は
風呂から上がってきてた。
「ご飯はいらないから。大丈夫だよ。
…俺も早く寝ちゃいたいし。」
和はまた一言、ごめんと謝ると
寝室の扉を開けた。
扉の閉まる音が、やたらと大きく響いた。