テキストサイズ

DAYS

第40章 ホント ノ ホント M×N





N side


あれから、俺たちの間には
見えないけれど、確かに壁が出来た。

分厚くて、高い壁が。

でも見えなくて、空気はすり抜けてくのに
俺たちを何が何でも阻む。


潤くんは、俺に触れなくなった。

指1本、1秒も、1ミリも触れない。


あの事件は俺以上に、潤くんを
傷つけたのかもしれない。

会話は普通にしてる…ように見えるけど、
目は合わせてくれなくて。


何よりも、潤くんはあの日から

心から笑ってない。

それが何よりも辛かった。


俺が笑っても笑ってくれない。

メンバーが笑っても、目は笑ってない。

『俺と話してる時の目が笑ってないよ。』
『笑って。』って言えば、
きっと潤くんは笑ってくれる。

でもそれじゃあ、もうずっと本当の
笑顔なんて見られない。


潤くんが感じてるのは、罪悪感だと思う。
それと怒り。

あんな事件を起こしたのは全部自分のせい
なんだって思い込んでる。

そんな事ないよ。

俺の不注意でもあるし、潤くんが色々と
仕込んでたのを本気で拒めば、きっと潤くんは
あんな事しなかった。


俺にあんな目に遭わせた…って、
自分に怒ってるでしょ?

そんなの必要ないから。

だから、また俺の隣で笑ってよ。


俺がどう伝えたって、たぶんダメだ。

俺が無理して言ってるって思うんだろうな。


どうしたらいいんだろ…。


「潤くん…。」


前みたいに抱きしめてくれるだけでいいのに。

温もりに包まれてるだけで幸せなのに。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ