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DAYS

第40章 ホント ノ ホント M×N





数日後、やっぱり俺たちの関係は変わらない。

それどころかまた壁は高く、厚くなった。


そんな感じで迎えたいつもの収録帰り、
翔さんが紙袋をひとつ押し付けて帰った。


チラッと中を覗いた俺は、

「はあああ!?」

思わずそこが局の廊下だってことも忘れて
叫んでた。

周りから白い目で見られて、
ペコペコ頭を下げる。


いたたまれなくなって急いで
家へと帰った、今がそれ。


「…はぁ。」


何度紙袋の中身を覗いたって変わる訳じゃ
なくて、ずっと同じ物がそこにある。

かなり異彩を放ちつつ収まってる。


「ほんと…あの人怖い…。」


こんなもんを廊下で堂々と渡して、
颯爽と帰っていくんだもんな。


普段は大野さんに尻に敷かれてるもんだと
思ってたら、

翔さんが…上、みたいだし?

だってこの前…ごにょごにょ。


「本当にこれ着るの?」

これを着たら、きっと距離も縮まるよ。

翔さんのその言葉が頭に繰り返し響く。
今の俺に1番引っかかる言葉。


潤くんはあと、1時間もすれば
帰ってくるんだろうな。

このままじゃ、
おかえりのハグもキスもないまま、
ずーっとこのまま。


「やるか…。」


覚悟を決めて紙袋の紐をぎゅっと握ると、
風呂場へと向かった。

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