DAYS
第40章 ホント ノ ホント M×N
M side
和が、時々傷ついた顔をする事が増えた。
原因は分かってる。
俺だ。
あの事件があってから、触れないように…
というか、触れることが出来なかった。
和が汚れた、とかそんなんじゃなくって
怖いんだ。
俺のせいで何よりも愛おしい人が…って。
その罪悪感からまだ抜け出せない。
でも泣きそうな和の顔を見る度に、
事件の罪悪感よりも強い罪悪感に襲われる。
だから今日こそは。
実は、翔くんからメールが来てた。
『そろそろ、自分を許してやって
ニノと向き合ってやれ。』
短いけど、深く刺さる言葉だった。
だから今日は、まずただいまのハグから
やってみようと思ってる。
受け入れてくれるかが怖い。
また、拒絶されるんじゃないかって…。
そんな事でウジウジ悩んでるなんて
俺らしくはないんだけど、気が付いたら
マンションに着いてた。
「松本さん?」
「あ、ごめん。ありがとね。」
「お疲れみたいですね。」
「ん、まぁ。全然平気だよ。
明日もよろしくね。」
若干重い足取りで玄関へと向かう。
ふぅっと大きく息を吐いて、
意を決してドアを開く。
テンションは高めに。
こっちに来る和を抱きしめて…
とか何とか考えてたんだけど、
「おかえりなさいにゃん。」
目の前にいる猫に、そんな事は
全部ぶっ飛んでしまった。