DAYS
第41章 メレンゲクッキー S×N
「上手い言い訳思いつかなくて…っ。」
「うん。」
「…抱けって…っ。」
「…。」
「1回抱けば、全部終わりにするって
言われて…。
それで、今日ねっ。」
声を上げて泣く和の姿に、
俺まで涙が溢れてきた。
「抱いたっ、あの女を…!」
そこでハッとして、何かを思い出したように
和が俺の腕から離れてく。
途端に取り乱す和。
「近づいちゃダメッ!
汚れちゃう、俺なんかに近づいたら
翔まで…。ダメダメ…っ!」
「大丈夫だから、和。」
「やだぁぁっ!」
「和っ。」
暴れる和を半ば無理やり腕に閉じ込める。
それでもなお暴れるけれど、
そんな抵抗にも負けずに
優しく和にキスをした。
「やだっ、やだっ。んんっ。」
やだっていう言葉もしだいに小さくなって、
少しずつキスを受け入れてくれて。
「んっ、ぷはっ。
…翔。しょお…。」
「ん…?」
俺のことを何度も名前を呼ぶ。
「ごめんなさい…。」
「何で和が謝るんだよ。」
「だって俺が上手く対処出来てたら…っ。」
「俺が気が付けばよかったんだよ。
何も悪くない。
ごめんな。」
和がまた涙を流す。
さっきまでの涙は少し違う。
穏やかな涙に見えるのは、俺のエゴなのかな。