DAYS
第41章 メレンゲクッキー S×N
静かに涙をこぼす和が、また口を開く。
「俺、バカだよね…。」
「ん…?」
「1回なんかじゃ終わる訳ないのに…。
あんな事で解決してくれるような
ヤツじゃないのに、俺…。」
「もういい。」
確かに、今日これっきりの相手、
ではなさそうな事は分かる。
写真を撮って証拠を押さえるために、
和を付けてたようなヤツだし…。
今少しずつ名前が出てきてる若手が
随分大胆な事をしたもんだよ。
でも、その事は今は忘れよう。
「明日、事務所に話そう。」
「でもー…」
「いいじゃん。
ついでに、式も挙げさせて下さいって。」
「…っ。しょお…。」
「いつか言わなきゃいけないことが、
ちょっと早くなっただけ。
それに、俺たちには心強い事務所が
ついてんだから。
ほら、おいで。今日はもう寝よっか。」
和の手を引いて寝室へ向かうと、
和を布団に寝かせる。
「翔は…?」
「お風呂行ってくる。すぐ戻るー…」
「やだ。ここにいて。
…俺のこと、抱いて…。」
ウルウルと瞳が揺れる。
真っ直ぐで、だけど儚くて…。
ここで抱いても、和が傷付くと思った。
今日の事を思い出して
しまうんじゃないかって。
「今日はー…」
「俺のこと、変わらずに好きなら…」
抱いてよ…。
そんな風に言われたら…。
瞳の揺れはさらに大きくなる。
とうとうポロっと溢れた涙を、
零れないようにとキスをした。
しょっぱかった。
だけど、愛おしかった。