テキストサイズ

DAYS

第41章 メレンゲクッキー S×N





全身に優しくキスを落としながら、
ゆっくりと和のシャツに手をかける。

和の体は震えてた。

いくら口では抱いてと強がっても、
傷ついてる。


「和、やめとこう。」
「何でっ!」


やめるって言葉を切り出した途端に
和が俺に強く抱きついた。

痛いほど。

だけどその腕は、やっぱり震えていて…。


「震えてる。」
「…っ、でも!」


和は必死だった。

でも和だって分かってるはずだ。


抱く抱かれるの行為だけが、
恋人同士じゃないってことも。

和が今、本当にその行為を望んでないことも。


まだ何か言葉を紡ごうとする和の口を、
ゆっくりと、優しく塞いだ。

和の存在を確かめるように、
俺の存在を教えるために。


「…落ち着いた?」
「ん…。

困らせてごめんね。」
「困ってなんかないから。な?」


ゆっくりと和を布団へ寝かしつけて、
俺もその横に並んで、和のお腹の辺りを
ポンポンとリズムよく叩く。


「子供みたいじゃん…。」

って、ほんの少しだけだけど笑ってくれたのが
とにかく嬉しかった。


子供っぽいからって嫌がった素振りを
見せたけど、すぐにトロンとした目をする。

必死に目を開けようとしてるその姿が、
また可愛くて、子供っぽくて。


しばらくすると、寝息が聞こえてきた。

そこでやっと息をつく。


「すぐ戻るから。」


和の額にちゅっとキスを落とすと、
少しだけ笑った気がした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ