DAYS
第41章 メレンゲクッキー S×N
「それで?」
「呼び出しをくらって。」
「2時間正座をさせられた、と。」
5人が揃った楽屋。
俺の話に失笑してる3人と、
つんつんして俺の方を見てくれない和。
「ほんっと、あり得ないんだけど!」
「ごめんってば。」
「まだ足痺れてるんだよ!?」
本当にあり得ない、ってもう一度言うと
楽屋を出て行ってしまった。
「行っちゃった、ね。」
「翔ちゃんもよくやるよねぇ。」
「意外と大胆な行動派なのかな。」
「にしては、まだ愛する恋人の事を
追いかけてないみたいだけど?」
3人が俺を見ながら、わざとらしく
ヒソヒソと話してる。
「あーあー、分かった。行ってくる。」
「はぁーい。行ってらっしゃーい。」
「収録前には帰ってくるんだよー。」
まだ少し痺れが残る足を奮い立たせて
立ち上がると、和の姿を探す。
3人の行動をお節介だと思いつつも、
その優しさが何だか嬉しかった。
なかなか見つからないと思っていたけど
案外簡単に見つかった。
自販機の近くのソファーに、ちょこんと
座る和の姿が目に入った。
「ニノ。」
「…遅い。」
もっと早く来てくれてもいいのに、って
拗ねたように口を尖らせてる。
「ごめんな。色々勝手に決めて…。」
「本当だよ。朝イチから事務所呼び出し
されるわ、正座させられるわ…。でも、」
…嬉しかった。ありがとう。
本当に小さい声でボソッと和が呟いた。