DAYS
第7章 crazy for you M×N
M side
いつにもなく素直な和。
そんな和に勝てる訳なくて、部屋で
ゆっくりと寛いでる。
その間も、少しでも離れようとすれば
「やだ。」
って、ぶっきら棒な言い方で
ぎゅって俺を引き止める。
和なりの精一杯の甘えに、顔が緩んで
仕方がない。
そんな感じで、まったりしてたら
時刻はもう18時前。
こんこんって音がして、慌てて体を離して
「はーい。」
「失礼致します。ご夕食はどちらで
お取りになりますか?」
「部屋でお願いします。」
「かしこまりました。
お部屋のほう、気に入って頂けましたか?」
「それはそれは。」
旅館の女将であろう女性が、
にっこりと優しい笑顔で言う。
「ごゆっくりどうぞ。」
「はい。ありがとうございます。」
しゃんと伸びた姿勢で綺麗なお辞儀を
されて、つられてこっちも礼をする。
いい人だなぁ…って思って、
「優しそうな人だね。」
和に話を振ると、
「…そうだね。」
何か、怒ってる?
むすっとした顔の和が、俯いて畳のほう
ばかりを見てる。
「和?」
「…何?」
「怒ってるの?」
「怒ってない。
…寂しかったの。」
ずっと下を向いてた和が、少し顔を上げて
上目遣いで俺を見た。
…今日の和、本当にやばい。
「うん。ごめんな。」
「離れちゃやだ。」
もー…。
甘い雰囲気の和に眩暈がする。
我慢出来なくなって、
その少し薄い唇に自分の唇を重ねる。
「んっ…。」
下唇、上唇に何度もキスを
落とすと、和の口がゆっくりと開いて
俺をさらに受け入れようとする。
誘われるがままに舌を挿れると
「んふっ…はっ、じゅん…んんっ。」
湿っぽい吐息が艶めかしくて。
どれくらいそうしていたのか、
「くるし…っふ、はぁ。」
和に俺の肩をとんとんと押されて唇を離すと、
口の端からつーっとよだれを垂らしてる和。
すっかり力が抜けたみたいで、
くてっと俺の肩に頭を預けてくる。
「和。」
「…何?」
和が顔を上げて俺を見る。
まだはぁはぁと荒い息を吐いてる和が
色っぽくて、可愛いくて。
「疲れてるでしょ?
お風呂、入ろっか。」