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第43章 俺の翔子ちゃん M×S




とにかく落ち着くまで、ずっと
翔の背中を擦り続けた。


涙も止まって、呼吸も安定してきた
タイミングを見計らって、話を切りだす。


「誤解してる。」
「誤解してるって、何が…?

この期に及んでまだ誤魔化すの?」
「誤魔化してないよ。

確かに夢は見た。翔子ちゃんの。」
「ほら、やっぱり翔子って女がー…」
「翔子ちゃん、メイドさんだった。」
「メイドって…。

メイドカフェに通ってんの!?」


せっかく引っ込んでいた翔の涙が、
まだ際限なくドバッと流れ出てくる。


「違う!違うから!」
「だって、メイドっ、翔子ぉー…。」
「お願いだから、最後まで聞いて?ね?

俺が夢で見たメイドさんはね、
目がくりくりで、
唇がぽてっとしてて色っぽくて、
肌が白くて…。」
「…。」

「翔にそっくりだった。

というか、翔だった。」


そう。

俺がさっきまで翔を腕に抱きながら
眠っていた時に見た夢は、

メイドになった翔の夢だった。


翔は言葉が出ないのか、口をポカンと
開けたまま絶句している。

涙はまた引っ込んだみたいだ。

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