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DAYS

第8章 一番 S×A

A side


21時を回ったところ。

今日は、午前だけで仕事が終わったから、
午後からはずっとゆっくりしてて、
今はテレビに張り込んで、翔ちゃんの
帰りを待ってる。


「翔ちゃん、まだかなぁ。」


翔ちゃんの帰りを待ってる時間。
この時間が、俺の好きな時間なんだ。

一人の時間は、寂しい。
もちろん寂しいんだけど。

こうやって一人になると、
翔ちゃんのことばっかり考えられるから。
翔ちゃん、仕事頑張ってるかな?とか、
今頃、車を運転してることかな?とか。


「ふふふっ。」

俺って、翔ちゃんのこと、
大好きなんだな。って、毎日実感してる。

「今から帰るよ。」

って翔ちゃんからのメール。
そんな短いメールでも、嬉しくて。

「待ってるね。」

すぐに返事を送った。


「疲れてるよね。
すぐにお風呂入りたいかな?」

スリッパをパタパタ鳴らして、
浴室へと向かって、お風呂の準備をする。


「何だかお嫁さんみたいだぁ。」

一人でウキウキして。


あ、ビデオ見てたんだった!

急いでリビングに戻ると、
俺のお気に入りのシーン。

『世界一…相葉雅紀!』

翔ちゃんの真剣な顔。

素でこの答えが出たんだろうなぁって
思ったら、思わず顔がにやける。

何度見ても、見足りない。
もうどれくらい見たか分からないくらい
見てるくせに、何度も何度も再生させる。


すっかり画面の中の翔ちゃんに
夢中になっていたら、


「ただいまー。」

って言った翔ちゃんの声を聞き逃してた
みたいで。
リビングのドアが開いて、翔ちゃんが
入ってきたのを見て、やっと帰って
来たことに気がついた。


「あ、翔ちゃん♡」

やっぱり本物のほうが、格好いいな。

録画した番組を何度も見てる俺に、
翔ちゃんがやれやれって顔をして


「また見てるの?」
「だって、嬉しいんだもん。」


ふーんって言いながら、上着をするっと
脱いでいってる。

そんな翔ちゃんを横目で見ながら、
画面の中の翔ちゃんに釘付けになってたら
何度も俺を呼ぶ声が聞こえてきて。

いつもなら
「なーに?」
ってすぐに言うんだけど、
番組は今、すごいイイところだったから…。

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