DAYS
第9章 World of … A×N
「じゃ、お疲れ!」
「皆、またねー。」
翔さんと大野さんが、二人で仲良く
手を繋いで帰っていった。
「あの二人、幸せそうだな。」
松潤がしみじみと言ってる。
「俺もそう思うよ。」
帰り支度の荷物をまとめて、キャップを被り
ながら答える。
迷彩柄のキャップ。
「まぁ色々あったから、今は余計に
幸せんだろうな。」
「ま、俺らには敵わないけどね♡
ねぇ、和ー?」
ふふふって、こっちを見て笑ってる。
この人、マイナスイオンが出てる。
持ってる雰囲気とか、全部が癒しで。
「はい。ご馳走様でーす。」
松潤がははって笑って言った。
手早く荷物をまとめると、
「三連休、楽しんでな。」
「お疲れー!」
そういって颯爽と帰っていった。
何かそのワンシーンがすごいしっくりきてて、
思わずぼーって見てたら、
「和。」
ありゃ、さっきよりもトーン、低くない?
「相葉さん?」
「まーって呼べよ。」
雄の顔をしてる雅紀と目が合った。
「まー…。どしたの?」
「どしたの?じゃないよ。
松潤に見惚れてたでしょ。」
唇を尖らせて、ぷいっとそっぽ向いてる。
「見惚れてないよ。ただ、様になってるなぁ、
って思ってただけだよ。」
「…本当に?」
「本当だよ。ごめんね?」
尖らせたままの雅紀の唇に、
ちゅっとキスを落とす。
一瞬、驚いたような顔をして
すぐにふわって、優しい笑顔をくれた。
「ねぇ和、もっと。」
「…ここで?」
「うん。」
火傷しそうなくらい、熱い雅紀の視線。
それだけで眩暈がするほどだった。
そんなギラギラして、期待してる瞳に
吸い込まれるように自分からキスをする。
さっきよりも、長く唇を押し当てる。
「んっ…。は、はぁ。」
「…もうお終いなの?」
「だって…。」
「足りないでしょ。これじゃあ。」
これ以上やったら、反応しちゃうよ。
その言葉をいう前に、雅紀の顔が近づいて
きて、啄むようなキスが降ってくる。
そんなキスを繰り返してたら、
息が荒くなってくるのは必然で。
どうぞ入れて下さい。と言わんばかりに、
口を少しだけ開けた。