DAYS
第9章 World of … A×N
雅紀はすぐそれに気が付いて、
舌を滑り込ませてくる。
「んんぅっ。はっ、あ…。」
だから、激しいんだってば…!!
「んんんんっ!」
息が苦しくなってきて。
それでもなかなか離そうとしない雅紀の肩を
何度も叩けば、やっと体が離れる。
「はぁ、はっ。苦し…っ。」
「わ、ごめん。ついつい…。」
「ついついじゃないよ、全く。」
だって久しぶりだったんだもん。
って雅紀。
拗ねた子供の言い訳みたいな事を言ってる。
また唇を尖らせてるし。
「ダメなの?」
さっきまでの男らしさをはどこへやら、
しゅんってしょげてる。
雅紀はずるい。
そうやって、俺が到底出来ないような事を
一瞬でやってのける。
雅紀はずるい。
結局、天然には敵わない。
「ダメじゃないけど…。」
「じゃあ、いいよね。」
にこって笑った、かと思うと
雅紀が俺の頬をがしっと掴むと、
「あっ…。んふっ。ふ、ふぁ。」
呑み込めなかった唾が、口の端を
伝って、首筋へと垂れていく。
それを目の端で捉えた雅紀が、
唇を離すと、首筋を下が這う。
「あぅ…。は、まー、あ、やっ。」
「ふふ…。感じてるね。」
雅紀が俺の耳元でふっと息を吐くから、
ぶるっと体が震えた。
耳をぱくっと口に含まれて、思わず
「ひゃうっ…。」
って声が漏れた。
変な声出ちゃった…っ。
まずいと思って、ゆっくり顔を上げて
雅紀を見てみると
「和、可愛い♡」
満面の笑み。
もう嫌な予感しかしないんだけど。
やばいな、と思って
「も、早く帰ろ。」
まとめて近くに置いていた荷物を
手に取って、楽屋を出ようとした。
だけどやっぱりダメで。
雅紀が俺を抱えあげて、
ぽーんとソファーの上に放り投げた。
「ちょ、雅紀?」
「まー、でしょ?」
「…まー。どうしたの?」
「どうしたのって…。分かってるくせに?」
にやって笑って俺を見下げてくる。
分かってる。
分かってるからこそ、怖いんだよ。
この相ばかの行動。
誰が入ってくるか分からない状況。
いつになく興奮してたのを、
俺は隠すことが出来なかった。