
DAYS
第10章 ためらいは捨てて S×N
S side
腕の中にすっぽり収まる感じ。
体に柔らかさはないけど、
体にぴったりくっついてくる。
出逢うべくして出会ったような。
「ねぇ。そろそろいいでしょ?」
まだ顔を真っ赤にしたままの和也。
可愛い。離したい訳がないんだけど、
撮影だから仕方がない。
最後に思いっきりぎゅーーってしたら、
「く、くるし…。も、離れて。」
って言ってるけど、
嬉しそうな顔してるけど?
しぶしぶ体を離すと、
あー、苦しかった。って、
二、三回大袈裟に大きく息をしてる和也。
「ちゃんと考えてよね。」
上目遣いで言われて、
また包羅したい衝動に駆られたけど、
ぐっと我慢。
そろそろスタッフさんが呼びにくるかな?
って、くるっと体を反転させたら、
「んっ…。じゅ、ふぅ…ふ、はぁ。」
「智、可愛いね…。」
楽屋で、そんな濃厚なキスを交わすな。
何だか知っちゃいけないことを
知ってしまったような気分になる。
「もう!二人とも盛るなや!」
和也がすかさず二人に駆け寄って、
頭をばしっと叩いた。
「って。」
「あいたっ。うわぁ、ニノが怖いー。」
智さんがうだうだ言ってるけど、
「もー、おじさんうるさい!」
和也は強いってこと、改めて痛感した。
「あ!相葉くんは?」
「「「あ。」」」
しまった、って顔して、
三人が一斉に俺を見た。
「どうしよ!悪いことしちゃった。」
「みんなで探しに行こう。」
そう言うと、皆が頷いた。
それを確認して、楽屋の扉を開けようと
すると、
「あ、相葉ちゃん!」
「相葉くん!」
目がちょっと赤くなっちゃってる相葉くん。
まだちょっと涙目だし。
「「「「ごめんなさい。」」」」
全員で頭を下げて謝った。
そしたら、
「いいよ。どうせ、俺なんて…。」
全然良くないじゃん。
「今度飯奢るから!」
「あ、うん!俺も俺も!!」
「一緒にゲーム、してあげるから。」
皆がみんな、必死になって言ってる。
「え?いいの?本当に?」
うんうん、と首を動かす。
よかった、素直で。
…何だか逆に罪悪感があるけど。
