
DAYS
第10章 ためらいは捨てて S×N
俺らの撮影も終わって、楽屋で一息つく。
「今日の撮影、楽しかったね♪」
いつになく、笑顔を振りまいてる和也。
やっぱり女装の影響があるのか?
凄い可愛いんだけど、
俺の理性がぶっ飛びそうで怖いくらいだ。
「あの三人が終わるまで待ってる?」
「んー。」
今日、二人で行きたいところがあった。
だけど、挨拶くらいはして帰ったほうが
いいかな?
うーんと唸っていたら、
「翔。…帰ろ?」
…天使ですか。俺の目の前にいるのは。
和也は可愛い。もちろん普段から。
だけど、今日はやばいでしょ。
暴走しそうな気持ちをコントロールするの、
あとどれくらい持つか、不安なんですけど。
「そうしよっか。 」
「うん。じゃあ、俺着替えてくるー」
「あ、そのままでいいよ。」
「へ?」
「その衣装、貸してくれるって。
だから、早く行くよ。」
え、なんで?って連呼して、突っ立ってる
和也の手を右手で引っ張って、左手に
荷物を持つと、急いで車へと向かう。
「ほら、早く乗って乗って。」
「え、わっ。」
頭の上に、いっぱい?マークを浮かべてる
和也を助手席に乗せて、車を発進された。
「なんでこの格好なの?」
「まぁまぁ。」
「どこ行くの?」
「秘密だよ。」
和也の質問攻めを何とか交わして、
車を走らせる。
あたりは少し日が落ちてきて、
薄暗くなってきてる時間。
「着くまで寝てていいから。」
「え、でも。」
「疲れてるでしょ?」
半ば強引に和也を説得させて、
信号に引っかかった時に助手席に体を
乗り出して、シートを倒す。
強引だとは思うけど、
これくらいしないと遠慮しちゃうから。
久しぶりのオフだし、悪いなぁ、って
思うけど、どうしても行きたくて。
やっぱり疲れてたみたいで、
しばらくすると、すーすーと安らかな
寝息が聞こえてきた。
そんな和也を横目でチラっと見る。
無防備にくーって、気持ちよさそうに
寝てる和也。
赤信号になった時、
和也の唇に軽く口付けする。
「んぅ…。」
体を少し捩ったあと、
「ふふ、翔…。」
可愛すぎるでしょ。
