DAYS
第2章 愛愛愛 S×A
S side
「雅紀?」
呼びかけに返事が無くて、もう一度声をかける。
いつもならすぐに返事するのにな・・・。
雅紀の側まで寄っていくと、
「雅紀!?」
「相葉さん、相葉さん?」
呼吸が早くなってきている。
「熱、本格的に上がってきてるみたいですね。」
ニノが雅紀の首元に手を当てながら答える。
「翔さん、どうやって帰るの?」
「今日、俺マネージャーに
送ってもらったから、車ないんだ。だから、
雅紀の車で帰ろうと。」
「じゃあ、鍵借りて車近くまで回してきて。
オイラたち、相葉ちゃん見てるから。」
「うん、わかった。すぐ戻るから。」
雅紀に一言、
「鍵借りるから、カバン開けるね。」
って一応声をかけて、鍵をとる。
急いで局を出て、地下の駐車場まで向かった。
車に乗り込むと、当たり前なんだけど
雅紀の匂いがして。
落ち着くっていうか、ホッとする香りで。
「って、それどころじゃなかった。」
エンジンをかけ、急いで車を出入口へと回す。
廊下を走り抜け、楽屋へと戻ると、
ソファーに寝かされている雅紀と、その周りを
囲うように四人が見守っていた。
「車、回してきた。」
「うん。早く連れて帰ってあげて。
相葉ちゃん、どんどん熱が上がってきてる
みたい。」
「うん、分かった。病院に行ったほうが
いいよな。」
「マネージャーを病院に待たせてるので、
そっちに向かってください。」
メンバーの優しさが身にしみて伝わる。
「みんな、ありがとう。」
「ううん、相葉くん良くなるといいのにね。」
「この人、熱が出ると高くなりますからね。」
「翔ちゃんに任せちゃってごめんね?」
「それは大丈夫だから!」
むしろ嬉しい。・・・なんて言えないけど。
「でも・・・。翔くんも大変だなぁ。」
「大変ですね。」
「ふふ、翔ちゃん頑張らなきゃだね。」
三人が俺の顔をみてニヤニヤしてる。
「へ?なんで?」
わからなくて、ぼけっとしていると、
「翔ちゃん、変なとこ抜けてるもんね・・・。」
「相葉さんに負けない天然・・・。」
深いため息が楽屋に響く。
え?天然?