テキストサイズ

DAYS

第11章 好きな時間 M×N S×O A×♡




「和。」
「んー?」
「ここで寝ないでよ。」
「んー。」


ご飯が終わって、リビングで
二人でゆっくり寛いでる。


他愛ない話をした。

仕事の話。収録中の話。
お昼は何食べたか、とか。
目玉焼きには醤油でしょ、とか。

そんなしょうもない話。


だけど、こんな時間も大切で。
ゆっくり出来る時間があるって貴重だから。


忙しいのはありがたいけど、
やっぱりこうやって潤の隣にいるのが
何よりも好きなんだもん。


「もー。置いてくよー?」
「や。」
「じゃあ行くよ。」


ほら。って、俺の方に手を差し出して
くれてる。

その手をぱっととると、


「もう寝ようね。」


にこって笑ってる。
そんな潤を見て、ぽって顔が赤くなった。


「あ。…ふふ。可愛いなぁ、和は。」
「可愛くない。」


可愛くない返事しか出来ない。

だけど、潤はそんな俺の分かりにくい
ちょっとの本音の部分まで、
ちゃんと大切に拾ってくれる。


手を繋いだまま、寝室までの
短い距離を歩いた。


潤の手は、俺の手よりも少し大きくて。
包み込まれる感じが、好き。





「布団も冷たくなってきたなぁ。」
「んー。」


冷えてる布団に体を滑り込ませると、
その冷たさに思わず丸くなった。


「こっちおいで。」
「うん。」


潤が腕を伸ばして、俺を待ってる。

その潤の腕枕の中にすぽっと収まる。


「ね?温かいでしょ?」
「…うん。」


背中に回された手が熱い。

ぎゅって抱きしめる腕は、力強くて、
だけど柔らかくて、優しくて。


それがすごく潤らしくて、ほっとする。


「…潤。」
「ん?」
「…おやすみのちゅー…。」


潤の顔を見上げながら言うと、
驚いた顔をしてたけど、


「…素直だね。」


瞼、頬、そして唇にちゅっとキスをくれた。


「おやすみ、和。」


俺の名前を呼ぶ声が優しくて。



潤の大きな胸に顔を埋めると、
どくんどくん、と心臓の音が聞こえる。


それが何よりも安心出来るもので。
潤の腕の中ほど、温かいものなんてない。



「おやすみ。」



この声が、場所が、時間が、暖かさが。


何より好き。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ