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DAYS

第11章 好きな時間 M×N S×O A×♡



M side


「寒っ…。」


夜中、寒さにふと目を覚ました。

よく見てみれば、和が布団を
全部取ってる。


「通りで寒いはずだよ…。」


布団を独り占めしてるし。

布団の中にくるんと丸まってる和。
顔だけを出してて、可愛い。


もう30過ぎてるんだよ?
何でこんなに可愛いんだよ、まったく。


「どうしよ…。」


布団を取られて寒いんだけど、
でも熟睡してる和を起こすのも気が引ける。

時刻を見れば夜中の3時。


「起きるには早いしなぁ。」


リビングに行ったって、何もするとはない。


「コーヒー飲むか。
いや、でも寝れなくなるから…。」


散々迷って、結局リビングにある
ブランケットを取りに行った。


リビングから帰ってきても、
やっぱり現状維持のまま熟睡してる。


薄手のブランケットだから、そこまで
暖かくはないけど、無いよりはましか。


和の隣にそっと寝転がって、
和をじーっと見つめてみる。


肌、綺麗だなぁ。
あ、ここのホクロ、セクシー。
まつ毛も長いなぁ。
唇も可愛いし。


「んふふ。…潤。」
「え?」


びっくりして、思わず声が漏れた。

起きてるのか。

いや、寝言か。


どんな夢を見てるのか、和は


「も、無理ぃ…。んん。」



そんな色っぽい声、出すなよ。



全く寝付けない俺。
その隣で、気持ちよさそうに寝てる和。


「明日。明日…。
あ、俺休みか。」


最近は忙しかったから、オフの存在すら
忘れてた。

和は、たぶん午前だけ仕事だな。


「午後はゆっくり出来るか。」


明日は何作ろうか、とか
そんなことを考えるだけで幸せ。


世界の中心が、和になってる。
嬉しいような、擽ったいような。



和を独り占めすることは出来ない。
きつい束縛で縛ることも、
嫉妬で丸焦げにすることも出来ない。
監禁して、俺以外の誰とも会わないように
するのなんて、不可能だ。


だけど、
誰よりも和を愛すことが出来る。
愛し合える。



目が覚めた時も、和がこうやって
隣にいてくれますように。
幸せでありますように。


心で願って、瞼を閉じる瞬間。


俺の好きな時間。

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