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DAYS

第11章 好きな時間 M×N S×O A×♡




それから、楽屋での二組の密着度は
急激に増した…かな。


仲良さそうでいいなぁ、って
思ってるけど。


「公共の場なのに…。


…俺って、心狭いのかな。」


思わず真剣に悩んでしまった。

「うー…。ダメだ。考えたって
分かんないや。」


難しいことは、苦手。
だって楽しくないし、笑えないから。




「でもどうしよ…。」


今日は、マネージャーさんに
朝、局まで送ってもらって来た。


だけど、マネージャーさんだって
大変だし。
しかも、子供もいるし。


「収録が終わったら、すぐに自宅に
帰られますか?」

車の中で聞かれたけど、


「んー。ちょっと寄ってくとこが
あるから、帰りは大丈夫だよ。
たまには家族でゆっくりしてしてよ。」
「相葉さん…。ありがとうございます。」


マネージャーさんだって、
一人のお父さんなんだもんなぁ。
凄いな。俺より年下なのに。

ちょっとでも家族との時間が出来ればって
思って、帰りの送迎は断った。


特に用もないのに断っちゃったから、


「タクシー拾わなきゃ。」


やっと、局の出口まで足が動き出した。



タクシーを拾って、その車内。
空を見ると、何だか雨が降りそうだ。




「ただいまー。」


家に帰って、声を出しても
静寂に沈んだ部屋からは何も
返ってはこない。


分かってるけど、ね。


リビングの方に行って、ふと窓を
見ると


「あ、雨だ。」

とうとう降り出してきた雨は
結構な強さで降ってる。


雨は好き。
音が綺麗じゃん?


家に着いて、誰もいない部屋に一人。

耳に飛び込んでくるのは
雨の音と、すーすーという寝息だけー



え?


ぱっと辺りを見回すと、ソファーに人影。
寒そうに、小さく丸まって寝てる。


「んー…。雅紀。」


寝ぼけて俺の名前、呼んでる。
前髪がぴょんって跳ねてて可愛い。


「起きてー。」
「んんん。ん?…雅紀。
おかえり。」


俺の顔を見て、にこって笑ってくれる。

目を瞑れば、優しいキスをくれる。


俺の寂しさを埋めていってくれる
暖かさを感じられる。


この時間が好きかな。

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