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「今日は仕事、どうだった？」
「んー？楽しかったよー？」
「ふーん。」


何だか意味深な返事をしてくる。


「何、その返事は。」
「いや。雅紀の嘘って、ほんっとに
分かりやすいよなぁ、って。」
「え？」
「え？って。気付いてないの？」


やれやれ、って顔してる。


「そんな素直なとこ、
好きだけどね。」


ストレートな言葉に、
顔がぼっと熱くなった。


ずるくない？それは。


「何かあったんでしょ？」


言ってもいいよ、って語ってるような
その優しい瞳に、少しずつ言葉が
ぽろぽろと出てくる。


「楽屋で、みんなラブラブ
してるからー」
「寂しい？」


こくん、と小さく頷くと、


「なんで？」


え？今の話、ちゃんと聞いてた？


「だから、みんながー」
「だーかーらー、何で？」


俺を正面から、ぎゅっと抱きしめて
じっと見つめてくる。


「何でって･･･」
「俺がいること話してないの？」
「うん。」
「俺の存在が、恥ずかしい？」


慌てて顔を見れば、
潤んだ瞳とぶつかった。


じわっと後から後から滲んでくる涙。


「違うよ！」
「･･･本当に？」
「本当に！」


背中に回されてた手が離れそうになって、
慌てて自分の手を背中に回して
離れないようにした。


さっきしてくれたよりも、
もっとずっと強い力で抱きしめ返す。


「いつ言えばいいか、分かんなくて。」
「そんなのいつでも、大丈夫じゃん。」
「･･･。」
「寂しいの？」
「･･･。」
「俺がいるだけじゃ、不満なの？」


いつも通りの口調。


だけど、押し殺された
悲しさとか少しの怒りが見え隠れしてる。


バカだなぁ、俺。

分かってたことなのに。


「ううん。ごめんね･･･。」
「ん･･･。」


俺を受け入れてくれる体は
いつでも暖かくて。


回された腕も。飛び込んだ胸も。



「愛してる、雅紀。」


愛してる。


その言葉は、この時間を
どんな時間よりも輝かせてる。


魔法みたいな言葉は、
俺の全てを包み込んでくれる。



その魔法がかかる瞬間。


このキラキラした時間が
大好きだよ。