DAYS
第12章 Happy Birthday♡♡
1人だけの部屋は寒い。
和の泣いてる顔を見るのがつらくて、
慌てて飛び込んだアトリエ。
あの独特な油絵の具の匂いと、
新しいキャンパスの香りが充満してる。
「・・・やっぱり謝りに行くか。」
こんなところに1人でいたって
仕方が無い。
だけど、どうしても足が動かない。
「酷いこと、しちゃったな。」
あんなに必死になってたからには
絶対に理由があったのに。
それさえ聞けなかった。
聞こうともしなかった。
「謝りに行こう。」
ちゃんと話をしないと始まらない。
やっと重たい1歩を踏み出せた時、
~♪~
突然鳴り出した携帯。
着信音で、メールだってことが分かった。
それも1通や2通なんて数じゃなくて、
かなりの量のメール。
「何でこんなに・・・。」
変に思って、携帯を開くと
『お誕生日おめでとう!』
どのメールのタイトルを見ても、
おめでとうの文字。
『to リーダー
お誕生日おめでとー!
素敵な1年になるといいね♪
相葉ちゃんより♡』
「なんだそれ(笑)」
相葉ちゃんらしい文面に、
思わず笑ってしまった。
他のメンバーからもメールが届いてて。
やっと気付いた。
「俺、今日誕生日だったんだ。」
急いでリビングに駆け込んだ。
ソファーの前でうずくまってる。
「ごめん、和。」
「・・・さとっし。・っ。」
正面からふんわりと抱きつけば、
ぎゅーーっと強い力で抱きしめてくれた。
華奢な体は小さく震えていて。
体も少し冷たくなってる。
「誕生日、祝ってくれようと
してたんだよな?」
必死に頷いてる和。
・・・可愛い。
「1番に、おいわっい、したかったぁ・・・。」
泣きじゃくってる和が、可愛くて。
「ごめん。気付かなくって。
酷いこと言ったな。」
謝ると、ぶんぶんと首を振って
「ううん。いいの。
智、お誕生日おめでとう。」
誰の言葉よりも嬉しくて。
「1番に言えなくてー」
「来年も一緒にいるんだから、
来年こそね。」
ずっと一緒だろ?
O×N -end-