DAYS
第12章 Happy Birthday♡♡
マンションにつ着いてから、
玄関まで駆け上がる速度は
俺の人生で最速だったと思う。
「ただいま!」
いつもなら丁寧に脱ぐ靴も、
今はそれどころじゃない。
智。智。智。
頭の中は、もうそれでいっぱいで。
「智。」
廊下を半分滑るように走って、
リビングのドアを開けると
「遅いっ!!!!」
「っわ!」
目の前、本当すぐに智。
廊下で勢いがついていた俺が
止まれるはずもなく、
「わっ、ちょっ・・・。」
「あー、ってて。」
2人で床に倒れ込んだ。
俺が智に覆い被さるような形に
なって、
「ちょ、潤。くるしっ・・・。」
「あ、ごめん。」
慌てて、智から体を離そうとする。
すると、
「・・・やだ。」
「え?」
「離れるなよ。」
男らしい、智の声。
その声に体がぶるっと震えた。
「離れるな。」
「だって重いでしょ。」
「重い。」
「だから、どくってー」
「それはやだ。」
駄々っ子みたいな智。
「もー・・・。酔っぱらってるの?」
「だって寂しかったから・・・。」
頬を紅く染めて、
瞳をうるうると滲ませて。
・・・さっきの男らしさは?
「うん。ごめんな。」
「・・・やだ。」
「やだって・・・。ごめん。」
「やだ。」
酔ってると、こんなに駄々っ子に
なるような人だったか?
智の『やだやだ攻撃』に
ぽかーんとしていると
「だから、今日、俺、お前、抱く。」
色々言いたい。
言いたいけど・・・
「なんでそんなにカタコトなの(笑)」
どうしても堪え切れなくて、
笑ってしまう。
「抱くから。」
「え?え?あっ。」
突然の行動に、頭も体もついていけない。
ただ、目の前にいる智が格好よくて。
じっと見ていたら、
「・・・あんまり見るなや。」
「・・・っぷ。」
そういうと、好きだよ。
照れて、耳まで真っ赤になってるとこ。
「笑った?」
「ううん・・・ぶっ。っくく。」
我慢しようとするけど、
「もう笑うな。」
「だって・・・くく。」
「ったく。」
ひょいっと、体が浮く感覚。
「智!?」