DAYS
第12章 Happy Birthday♡♡
O side
「せっかくの日なのに…。」
「もう…。仕方ないよ。」
まだしゅんってしてる雅紀。
コーヒーの入ったマグカップを持った
まま、ずっと俯いてる。
「誰だよー、雨男。」
「…俺?」
「智だよ、智。」
俺の方を見て、ぶーぶー言ってる。
ひどくない?
一応、俺今日主役だよ?
「だって、智が雑誌の撮影したら
絶対に雨なんだもん。」
「確かに。」
「船の撮影の時も、雨だったんでしょ?」
「…うっ。」
「バスの時だって、天気危なかったし。」
「…はい。」
「もー!」
俺のカップを取り上げて机に置くと、
俺の髪の毛をくしゃくしゃってしてる。
「わわわ!ちょ、雅紀!
やったなぁー?」
「だって、智の髪の毛、もふもふー。」
「そういう雅紀は、サラサラだね。」
「わっ!くしゃくしゃになっちゃう!」
「もっとくしゃくしゃにしてやる。」
いい大人が何してんだか。
お互いに、ひたすら相手の髪の毛を
掻き乱してる。
コーヒーが冷たくなるまで
2人ではしゃいでた。
「智。」
「何?」
「…疲れた。」
だろうね。
俺も疲れたもん。
「ああ!」
「どうしたの?」
「…コーヒーが冷たい。」
うん。だって、結構時間たってるし。
コーヒー1つでそんなにへこむとこ、
何だか雅紀っぽくてほっこりする。
「もう1回温めよっか?」
「ううん。大丈夫…。」
全然大丈夫じゃなさそうな顔して
言うのが、面白くて。
吹きそうになったのを、寸前のとこで
何とか堪えて、
「全然大丈夫そうじゃないよ?」
「え。嘘。」
「顔に書いてある。」
そう言った途端に、自分の顔を
ぺたぺた触ってる。
ね、可愛いでしょ。
「煎れてくるよ?」
「ううん。大丈夫だから。」
「でもー」
「智。」
ぱっと、大きく広げられた雅紀の腕。
迷いなく、すっぽりと収まれば
「あったかいね。」
って。
そんな雅紀の笑顔が何よりも
暖かいってこと、
自分では気付いてないところが
雅紀らしいね。
雅紀の腕の中は心地よくて、
気が付けば夢の中。