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DAYS

第2章 愛愛愛 S×A



S side

まだ熱で辛いのか、頭を撫でていると
すぐに寝息が聞こえてきた。

そりゃ、大変だよなぁ。
レギュラーも多いし、ラジオの仕事もある。
ドラマが終わって少し落ち着いたかな、って
思ってたんだけど・・・。

ぐっすり眠る雅紀を残して、
細心の注意を払って寝室を出てリビングに向かう。


「ふぅ・・・。」

大きく息を吐きながら、ソファーに沈みこむ。

体が弱ってる。

医者に言われた言葉が頭の中をリピートする。
すぐに我慢しちゃうとこあるから。
誰にでも甘えられそうで、大事な時には
一人で頑張ろうとするから。

頼られて、甘えられて、迷惑なんて誰も
思わないのに・・・。

でも、そんな雅紀だから好きになったのかな。

そう言えば、俺。
いつから雅紀が好きなんだろ。

気がついたら好きだったんだけど。



「翔ちゃん。」
って、可愛い笑顔で笑ってくれるとことか、
我慢強いとことか、頑張り屋さんのとことか、

だぶん、そういうのをいっぱい見てきて、
その積み重ねで好きになったんだろうな。

一緒にいるから分かることも
たくさんあるんだけど、
一緒にいるからこそ、
言えないこともたくさんあって。

純粋で、どこまでも真っ直ぐで、
誰にでも優しくて、いつも笑ってて。

そんなとこが好きなのに、
そんなとこに嫉妬してるんだ。

「はぁ……。本当に前途多難だなぁ。」

でも、こんなに振り回されるとこまで
好きって、俺やばい。

って、こんなことしてる場合じゃない。
ご飯とか用意しないと。

そう思って立ち上がったものの、

「あ……。俺、料理出来ない。」

俺の馬鹿。こんなことがあるなら、
ちょっとでも料理しとけばよかったな…。

こんな時、松潤ならさらって、パパって
出来るんだろうな。
ニノって幸せ者だな…。

じゃなくて、ご飯…。
ゼリーとか、風邪薬も用意しないと…。
最近は忙しくてまともに買い物なんて
してないから、家には何にもない。

「雅紀が起きる前に行かないと。」

立ち上がって、寝室を少し覗いて、
スヤスヤと寝息が聞こえてきて安心する。

そのまま玄関を出て、必要な物を揃える
ために、車を走らせた。


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