
DAYS
第13章 愛のままに わがままに N×M
収録中も、雰囲気が違った。
いつもなら、
「MJ何やってんだよー!」
とか言って、つっ込んでくれそうな
場面でも総スルー。
あとの3人が、
「松潤、格好いいね。」
とか、必死のフォローを入れる始末だった。
それに、何故か翔くんへの当たりが
きつくて。
「翔ちゃん、それは違うでしょ。」
いつも通りにいってる風。
だけど、目が違った。
本気の目をしてたから。
「ありがとうございましたー。」
「お疲れ様でしたー。」
収録が終わって、全員で挨拶をして
楽屋まで帰る。
いつもなら、みんな並んで
「今日、あそこやばかったよなぁ。」
「相葉くんが濃かったわ(笑)」とか。
くだらない話をしながら戻るのが
日課…というか、決まりみたいな。
だったんだけど。
「今日の企画、面白かったー!
ねぇ、ニノ?」
「ええ。」
相葉くんの話にも喰いつこうとせず、
1人すたすたと歩いていく。
「ニノどうしたの?」
痺れを切らしたように、
相葉くんがニノを呼び止める。
「何がですか。」
「そういうところだよ。」
「…。」
無言で、ひたすら歩き続けてる。
一触即発しそうな、ぴんと張り詰めた
空気が2人を包んでた。
普段あれだけ仲のいい2人なのに。
本当に何があったの?
俺には言えないことなの?
相葉くんにも、他のメンバーにも
理由もなく当り散らす訳がない。
「ちょ、和待って。」
楽屋に入っていく和の背中を
追って、急いで中に入る。
「ねぇ、変だよ。」
「何がですか。」
「何で俺にまで敬語なの。」
「そういう気分なんです。」
「気分だけで、相葉くんに当たるような
こと、しないだろ?」
和は支度する手を止めようとせず、
一切こっちを見ない。
「それに翔さんにもきつかっー」
「潤は、翔ちゃんがいいの?」
「…は?」
「…何でもないです。」
「ちょ、待てよ。」
帰ろうとする和の腕を掴むと、
「やめろっつってんだよ!」
突然の大きな声。
思わず、掴んだ手が緩む。
一瞬、和ははっとした顔をしたけど、
その後何も言わずに去っていった。
