
DAYS
第13章 愛のままに わがままに N×M
今俺、和に何て言われた?
和に何を言わせた?
『やめろっつってんだろ!』
和の、今まで聞いたことないような
荒い声。鬼のような形相。
何より、最後の顔が…。
すごく悲しそうな顔をしてた。
言われた俺よりも、ずっと。
いつの間にか、他の3人も楽屋に
入ってきてて。
さっきの場面を見ていたのか、
誰も、一言も発しなかった。
楽屋に流れていく、凍りついた空気。
「…大丈夫?
…ここにあるお菓子食べる?」
「だから、何でそうなるんだよ。」
そんな空気を割いたのは、やっぱり彼。
すかさずつっこめば、
「だって、甘いもの食べたら
気持ちがほわってするでしょ?」
って。
保育園児がするみたいに、両手の
人差し指で頬をグリグリしてる。
「雅紀。そんな可愛いことしない。」
「え?だって…。」
「俺の前だけにしてね。」
「…分かったぁ。」
よしよし、って相葉くんの頭を
撫でてるリーダー。
真っ赤な顔をして、大人しくなってる
相葉くん。
だから、もう何なんだよ。
「はぁ…。どうしよう。」
深いため息が、楽屋に響く。
「何か収録中も、当たりがきつかった
よな。」
「うん。翔ちゃんに対して、きつく
なかった?
まぁ、俺たちに対しても、多少は
いつもよりきつかったけど…。」
「…。」
「俺どうしよう…。」
「…。」
「翔くん?」
さっきから、じっと下を向いたまま
一言も言葉を発していない。
「…俺のせいなんだ。」
「「「え?」」」
全員が、一斉に翔くんの方を見た。
相変わらず、下を向いたままの翔くん。
閉じられたままの口は重くて、
次の言葉が出るまでに時間がかかった。
「俺が、ニノに言ったんだ。」
「…何を?」
あくまでゆっくりと、
だけど焦ってるのが声色から
バレてるかもしれない。
嫌な考えばかり浮かぶ。
傷つくことを、翔くんが言ったとは
思ってない。
だけど…。
相葉くんとリーダーも、
真剣な顔で翔さんを見てる。
空気は、ぴんと張り詰めていた。
「俺が、松潤を好きだってこと。」
