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DAYS

第13章 愛のままに わがままに N×M




「…え?」


状況がうまく呑み込めない。

翔くん、今何て言ったんだ?
好き?

誰が誰を?

翔くんが俺を?



フリーズしてるのは、俺だけじゃない
みたいで、あとの2人も固まってる。


「好き…?」
「ああ。」
「翔くんが?」
「ああ。」
「俺を?」
「だから、そう言ってるだろ。」


心のどこかで、冗談だろって
思ってる。

冗談であって欲しいって思ってる。
否定して欲しいって。


だけど、そんなこと言えなかった。

翔くんの目は真剣で。
いつになく、硬い表情だったから。


「でも、俺は和とー」
「知ってる。知らないはずがないし。」
「じゃあ何で…。」
「困らせるのは分かってる。

でも、好きなんだよ。」


苦しそうな声。
だけど強い意志のある声で。



「…じゃあ、ニノがあんな態度の
理由って。」
「…俺だと思う。」


ずっと見ていたのリーダーが
口を開いた。



「ニノに3日前に言ったんだ。
2人で飲みに行った時に。

俺は、松潤が好きだって。」


2度目の告白。

胸がきゅーってなった。



なぁ、和。
俺、苦しいよ。

翔くんに告白されて、
好きだって言われて。



自分がどれだけ、和のことが好きなのか
痛感したんだよ。


翔くんに告白されても、
好きだって言われても、
絶対に流される訳ないのに。


でも、翔くんを傷つけたくないんだ。

ずっと、昔から俺を弟みたいに
可愛がってくれて、面倒も見てくれて。

兄貴みたいな存在の人で。

大切な人には変わりない。


だけど、1人だけなんだよ。
俺が、愛してるって。
心の底から好きだって思うのは。



「何で今なの?

困らせるって分かってるなら何で…。」
「ずるいって分かってる。
ニノに直接言えば、2人の距離が
こうなるっていうのも分かってた。


でも、好きなんだよ。」


その言葉を聞けば聞くほど、
和に堪らなく会いたくなる。


和が、どれほど苦しい想いをしたのか。

3日間も1人で悩んだんだろ?


俺、行かなくちゃいけない。



本当に、大切な人のところへ。

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