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DAYS

第14章 sound O×S




S side



俺のドジ。

怪我なんてしちゃうから、
智くんと料理出来ないじゃん。


せめて、キッチンで見てようかな、
って思ったら


「ダーメ。」って言われちゃって。


見てるだけでもダメなの?
そんなに一緒にいたくないの?

俺は、ちょっとでも離れたくないから…。


こんな面倒くさい俺のこと、
智くん嫌になっちゃったのかな。


さっき怪我した左の人さし指が
じんじんと痺れて痛い。


そのせいだ。
涙が出そうになってるのは。
ネガティブな思考になってるのは。


「…俺のこと、嫌い?」


こんなの聞いたって、
智くんを困らせるだけだって
分かってる。

でも、聞かずにはいられない。


そんな俺を見て、


「はぁー…。」


深ーいため息をつく智くん。

…やっぱり面倒くさい?


泣いちゃダメ。


思えば思うほど、我慢が出来なく
なってきて、とうとう溢れてくる。


「翔は分かってないでしょ?」


いつもみたいな優しい声。


「え?」
「俺、めっちゃ我慢してんだからな。」
「へ!?」
「あーー!もう!」


俺をひょいっと持ち上げて、
スタスタと歩く。


わぁ、お姫様だっこされてる♡


「って、やだやだ。
重いから、智くん下ろして!」
「ちゃんと掴まってろ。」


男らしい強引さに、
胸がきゅんって熱くなった。



「ねぇ、どこ行くの?」
「寝室?」
「味噌汁は?朝ご飯は?」
「翔が悪い。」


寝室に着くと、体が宙に舞う感覚。


と思ったら、

「わわっ!」


ベッドにまで、ぽーんと
投げ出されてる。


「ちょっと、智くん!」
「何?」
「何?じゃないよ。

どうしたの?」
「イマカラオマエ、タベル。」


何でそんなに片言なの!?


どれだけ体を捩っても、
一向に動かない智くんの体。

それどころか、さっきよりも
強い力で押さえつけられる。


「智くんってば!!」
「お前が悪い。」
「なんでぇ…?」
「そういうとこだよ!」


噛み付くようなキス。


「んんぅ…、ふぁっ…。っ。」
「…っはぁ。もー。

翔!!」
「ひぃっ!」


怖いよ、智くん…。

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